『頭を「からっぽ」にするレッスン』感想|1度やめて再開した10分瞑想

※本記事はプロモーションを含みます。

寝つくまでの時間が、平均40分から20分に半減した——。

『頭を「からっぽ」にするレッスン』で紹介されている、マインドフルネス研究の数字です。

筆者は2年前にこの本を読み、10分間瞑想を3ヶ月続けました。1年以上の空白をはさんで、この6月に再開しています。筆者にとって、この本は良書でした。ただしそれは、書いてあるとおりに続けられたからではありません。一度やめて、それでも手元に残った本の話です。

著者はアンディ・プディコム。瞑想アプリ「Headspace」の創業者で、僧侶として修行した経歴を持つ人です。

この記事では、本の核になる考え方と、10分間瞑想のやり方、筆者がやめた経緯と再開の記録、そして眠りとの関係までをまとめます。


口コミで選んだ1冊でした

口コミで選んだ本

2年前、筆者はネットで瞑想の本を探していました。職場の人間関係がうまくいかず、悩んでいた時期です。著名人が心の安定のために瞑想を実践している、という情報を知り、自分でもやってみようと思いました。

この本を選んだのは、口コミの数が多く、内容も信頼できると感じたから。いま思えば典型的な初心者の選び方ですが、結果的には、当たりでした。

一通り読み終わった後、本に書いてある通り、10分間瞑想を始めました。週3〜4日のペースで、約3ヶ月。このときの実践がどう終わったかは、記事の後半で。

心がざわつく時、ふと思い出すのは「道路と車」の話

道路の道の話

先に、この本に出てくる導師による例え話を紹介します。筆者が瞑想を中断したあとも、ずっと覚えていた話です。

目隠しをして、往来の激しい道路の脇に座っている——瞑想を始める前の心を、本はそう例えます。走っている車が、頭の中の思考です。目隠しをしていても、車の音は聞こえます。ざわつきは感じているのに、その正体は見えていない状態です。

瞑想を始めるというのは、この目隠しを外すこと。初めて道路が見えて、車の多さに驚くことになります。「瞑想を始めたら、かえって考え事が増えた」と感じる人が多いそうですが、実際は逆です。車は元から走っていて、目隠しを外したから見えるようになっただけ

ここからが核心です。見えた車をなんとかしようと道路に走り出て、往来を仕切ろうとする——思考を力ずくで静めようとすることを、導師は「かなり危険な戦法だ」と笑います。楽しそうな車が来れば夢中で追いかけて道路に出てしまい、嫌な見た目の車が来れば止めようと飛び出してしまう。どちらも、気づけば道路の真ん中にいて、どれだけ力んでも心は落ち着きません。

導師の提案は一つだけ。道端に腰を落ち着けて、行き交う車をただ眺めることに慣れる。考え事が渋滞している夜も、少ない夜も、やることは同じ。そして、道路に出ている自分に気づいた瞬間こそが「道端に戻るチャンス」で、繰り返すうちに飛び出したくなること自体が減っていく——それが瞑想の過程だ、と導師は語ります。

布団に入った瞬間に頭の中で会議が始まる——考え事が止まらない夜の記事に書いた筆者の夜は、まさに車のあいだを走り回って往来を仕切ろうとしている状態でした。どれだけ力んでも、心は落ち着かない。この例え話は、眠れない夜の頭の中の説明として、筆者が読んだどんな睡眠の本より腑に落ちるものでした。

10分間瞑想のやり方——今夜から始められます

瞑想

本の中心にあるエクササイズが「10分間瞑想」です。筆者が実際にやっている流れを紹介します。

  • 準備——背筋を伸ばして楽に座れる椅子に座る。邪魔が入らないようにして、タイマーを10分にセットする
  • 導入——5回、深呼吸をする。鼻から吸って、口から吐く。そのあと軽く目を閉じて、体が椅子に触れている感覚、足が床についている感覚を確かめる
  • 本体——呼吸を数える。吸って1、吐いて2、と10まで数えたら、また1に戻る。これを繰り返す
  • 終了——終わりの20秒ほどは数えるのをやめて、心を自由にさせる。それから体の感覚に意識を戻し、ゆっくり目を開ける

途中で考え事に流されて、数がわからなくなります。何度もなります。ただ、それは失敗ではありません。気づいて1に戻ること自体が、道端に戻る練習だからです。ここが分かってから、筆者は瞑想の「うまくできない感」がだいぶ軽くなりました。

やる時間帯について、本は「朝一番」を勧めています。夜に回すと、疲れや気分を理由に引き延ばして結局やらなくなるからです。これは筆者の中断の経緯とも一致します。

瞑想で感じられる深い安息は、あと10分寝ることよりもはるかに有益で役に立ちます。
——アンディ・プディコム『頭を「からっぽ」にするレッスン』p.141

筆者の実際は、朝にやるのが週2〜3回、週1回ほどは夜。昼は完全な10分ではなく、目を閉じて呼吸を意識するだけの簡易版です。

ここまでで、10分間瞑想は始められます。ただ、この本の本体は「10分のやり方」ではありません。瞑想を日常に組み込むためのヒント、歩きながら・食べながらといった応用、段階を踏んだエクササイズの数々——続けるための仕組みの部分は、『頭を「からっぽ」にするレッスン』本体を読んでもらうしかありません。

3ヶ月でやめて、繁忙期に戻ってきました

3ヶ月でやめて、繁忙期に戻ってきました

最初の実践は3ヶ月で止まりました。

壁になったのは、朝・晩に10分の固定時間を取ることです。2025年に入って業務が忙しくなると、朝は出勤前の準備で潰れ、夜は帰宅後の疲れで後回しになる。「明日からやろう」が積み重なって、気づけば1年以上たっていました。

再開したのは、2026年6月の下旬です。仕事量が増えて、心を静める手段が必要になったこと。そして、止まっていた瞑想を再開できるだけの時間の余裕が見つかったこと。この2つが重なったからです。業務量が増えると眠りが崩れることは業務量と睡眠の半年の記録に書いたとおりで、眠りのテクニックだけでは足りない時期に、根っこのざわつきに触る手段として、この本を思い出しました。

再開にあたって、やり方を一つ変えました。「朝晩の固定」を捨てたことです。朝できる日は朝、できない日は昼に目を閉じて呼吸だけ、それも無理なら何もしない。完璧に守ることではなく続くことを優先する——スマホを寝室に持ち込まない習慣で例外の夜を認めているのと、同じ考え方です。この形にしてから、1ヶ月近く続いています。

眠りはどう変わったか——本の記載と、筆者の体感

まず本の記載から。冒頭で触れた数字は、付録「科学が証明するマインドフルネスの効果」で紹介されているものです。スタンフォード大学付属病院の神経科学者チームの研究で、マインドフルネスを6週間実践した被験者は、寝つくまでの時間が通常の半分——平均40分から20分——になったとされています。また本には、夜のためのエクササイズ(寝ながらのマインドフルネス)も収録されています。

ここで本に対して信頼を感じたのは、その夜のエクササイズについて「これは眠るためのエクササイズではない」と本自身がはっきり書いていることです。夜の自分の心への理解を深めるためのもので、途中で眠ってしまっても構わない、という位置づけ。眠りを釣り餌にしない書き方に、誠実さを感じました。

そのうえで、筆者の体感です。寝る前に10分やると、慌ただしかった思考が整理されて、寝つきが早い夜があります。ただし、毎回ではありません。仕事が頭を離れない夜は、瞑想をしても眠りは崩れます。それでも、布団の中で本でいうところの「車を追いかけている」自分に気づけるようになったことは、確かな変化でした。

瞑想の眠りへの影響

寝ながらのマインドフルネスについては、筆者は本のとおりにはやっていません。取り入れているのは呼吸法くらいです。夜中に目が覚めて焦る夜に、鼻から吸って口から吐く——それだけでも、焦りの温度は少し下がります。夜の習慣としては、このほかに睡眠サポートサプリの継続も並行しているので、瞑想単体の変化として書けるのはこのくらいです。

良書だったと言い切れる理由

理由は3つあります。

  • 2年たっても「道路と車」を覚えていた——参考にならない本の内容は普通、忘れます。眠れない夜のたびに思い出す例え話が残った時点で、筆者には元が取れていました
  • 続かない人を責めない設計になっている——考え事に流れることも、途切れることも「失敗ではない」と繰り返し書かれています。だから1年空いても、再開できました
  • 読み直したら、別の箇所が刺さった——2年前は人間関係の悩みで読み、いまは繁忙期のざわつきで読んでいます。悩みが変わっても使える本でした

向き・不向きも書いておきます。

向いていると思うのは、考え事で眠れないタイプの人、瞑想に興味はあるがアプリや教室はハードルが高い人、そして一度何かの習慣が続かなかったことがある人。

向かないと思うのは、今夜すぐ効く眠りのテクニック集を探している人です。この本はテクニック集ではなく、頭との付き合い方を変える本なので、効き方はゆっくりです。

ちなみに、自分の眠れなさがどのタイプかによって、瞑想より先に手をつけるべきことがある場合もあります。全体の見取り図は不眠のタイプ別対策まとめに整理しています。

今朝も、リビングの椅子で10分座りました。数は途中で3回わからなくなりました。それでいい、と書いてくれているのがこの本です。

10分のやり方は、この記事で足ります

続けるための仕組みと、頭との付き合い方の全体像がほしくなったら、本の出番です。筆者は2年かけて、結局この1冊に戻ってきました。

ミルク

ミルク / 30代・会社員

10年以上、毎晩4〜5時間しか眠れない日々を送ってきた30代の会社員です。ある日曜の深夜、一睡もできないまま朝を迎えたことでオンライン診療を決意し、処方薬を「心の保険」として手元に置くようになりました。現在はサプリや生活習慣の改善を並行して試しながら、実際に経験したことをこのブログに記録しています。

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【免責事項】
本記事は筆者の個人的な体験・感想に基づく記録であり、医療助言を目的とするものではありません。気になる症状がある方は、医療機関にご相談ください。本記事で紹介する書籍・商品の効果には個人差があります。