眠れてはいる。でも、眠れた気がしない。
4〜5時間で目が覚めて、体は重く、頭の中に靄がかかったまま一日が始まる。その感覚と向き合うのに、何年もかかりました。
これを書いている筆者は、30代の会社員です。短時間睡眠が続いて10年。睡眠時間を増やすのは難しいので、せめて眠りの「深さ」を取り戻せないかと考えて、いくつも試してきました。
先に、結論を書きます。
- 体感が一番はっきり変わったのは「寝る90分前に風呂に入る」と「起床時刻を固定する」の2つ
- 対策を足すより効いたのは、「スマホを寝室に持ち込まない」という引き算
- ただし3ヶ月続けて、数えられる範囲で変わったのは寝つきだけ。睡眠時間は今も4〜5時間です
この記事でわかること
筆者の10年間:平均4〜5時間睡眠で走ってきた代償
筆者が短時間睡眠になったのは、自分から眠らなかったのが始まりです。仕事から帰って、夜くらいは自由でいたかった。SNSに没頭したり、動画を見たりして時間を潰すうちに、深夜1時、2時になる。それでも朝は起きなければいけないので、必然的に睡眠は4〜5時間になる——最初はそういう生活でした。
ところが、ある時期から変わりました。期末に業務量が一気に増えた頃から、布団に入っても頭が止まらなくなりました。明日の段取り、先方の反応、自分の判断。眠ろうとしても頭が回り続けて、気づけば朝になっている。「自分から眠らなかった」のが、「眠りたくても眠れない」に変わっていました。
睡眠不足の影響は、具体的に体に出ました。
- 頭の左側が重く痛む
- 翌日の思考が濁り、言葉が出てこない
- 仕事で簡単なミスが増え、集中力が15分も続かない
- 家族の些細な言動で苛立ちが止まらない
- 休日も頭のどこかで仕事や人間関係のことを考えている
- いつまでも消えない目の下のクマ
睡眠時間が少ないことより、眠りの質が悪いことの方が、日中への影響が大きかったと気づいたのは、かなり後になってからのことです。
「深い睡眠」とは何か
自分を守るために筆者が調べた範囲のことを整理しておきます。
睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が交互に繰り返され、ノンレム睡眠の深い段階を「深睡眠」や「徐波睡眠」と呼ぶことがあります。
筆者が「なるほど」と思ったのは、深い睡眠は睡眠の前半に多く出る傾向があるという話でした。寝入ってから最初の2〜3時間が要になりやすい、ということです。
逆に言えば、寝入りの質が低いと、その夜の眠りの深さ全体が損なわれやすい。この視点で自分の習慣を見直すと、やることが絞れてきます。
筆者が試した5つのこと【体感ランクつき】
「眠れない夜」と「眠りが浅い夜」は、対策の方向性が少し違います。ここでは深い睡眠を意識して試した5つを、ランキング形式で記録します。
先に断っておきます。筆者は深い睡眠を測っていません。睡眠計もスマートウォッチも持っていないからです。
以下の順位は、「翌朝の体の軽さ」と「寝つきの速さ」という、自分で分かる範囲の体感によるものです。
5位 日中に少し体を動かす
「大きな運動」ではなく、「エレベーターではなく階段で移動する」「動画を参考に自宅で有酸素運動」程度を目標にしています。
できた日の翌朝は確かに体感が違いますが、毎日再現するのが一番難しく、5つの中で今も最も試行錯誤中の項目です。
4位 寝る前の呼吸・瞑想(10分)
布団の中で呼吸だけに意識を向ける10分間。「頭を空にしようとする」のではなく、「今の呼吸だけに注意を向ける」がポイントです。考え事が来たら「来たな」と気づいて、また呼吸に戻る。
頭が回り続けていた夜も、10分後は少し静かになっていることが多いです。続けられない日があるという意味では安定しませんが、できた夜は入眠が早い実感があります。この呼吸法のもとになった本と、続けて分かったことは10分間瞑想の実践記録にまとめています。
3位 午後のカフェイン禁止
毎日コンビニで買っていたコーヒーを、午前だけに控えました。
眠気が残るとついカフェインに頼りがちです。いきなり完全に絶つと継続が難しいため、まずは午後のみ禁止。感覚的ですが、夜まで目が冴えている、という感覚が減りました。
どの時刻で線を引いたか、朝と夜で何を変えたかはカフェインと睡眠の質の関係に詳しく書いています。
2位 起床時刻を固定する
就寝時刻は仕事の都合で変わりますが、起床時刻は自分の意思でコントロールできます。何時に寝ても同じ時刻に起きる——これを続けると、体がリズムを覚え始めました。
ポイントは週末。
休日だとつい寝坊しがちですが、平日の起床時間を意識して守っています。
起きたあとに何をするかも変えました。毎朝ベランダに出て光を浴びる習慣を続けた記録は朝日を浴びると睡眠は変わるのかにあります。
1位 寝る90分前に風呂に入る
入浴すると体温が一度上がり、その後下がる過程で深い眠りに入りやすくなるとされています。以前は寝る直前に入ることが多かったですが、90分前に変えてから布団に入ったときの感覚が変わりました。体がすっと落ちていく感じ。
大切なのは、入眠までに体温を下げること。
残業が続く日はきっちり90分を守ることは難しいですが、「できるだけ早く入る」という意識だけは守っています。
これはあくまで筆者の体感による個人の記録です。
深い睡眠を邪魔する3つの習慣
試したことと並行して、「これをやめると夜が変わった」と感じたことも3つ書きます。対策を増やすより、邪魔をやめる方が早い場合もあります。
①寝る直前の食事
夜遅い食事が続く時期は、眠りが浅い日が明らかに増えていました。消化中は体が活動モードのままになりやすく、深い睡眠に入りにくいといわれています。
「夜10時以降は食べない」というルールを課しましたが、残業続きの週はなかなか守れません。それでも、「遅い食事の夜は、翌朝の体が重い」という体感を積み重ねることで、できる範囲で前倒しにするようになりました。
②不規則な起床時刻(特に週末)
週末に2〜3時間遅く起きると、月曜の夜になっても眠くならない。眠れないまま深夜になり、翌朝また辛い——という循環に入りやすいです。
週末の「寝坊貯金」は、睡眠の質を下げるという感覚が体に染み付いてからは、週末も8時〜9時には起きるようになりました。以前より休日の自由時間は減りましたが、その分夜の寝付きがよくなる日が多くなりました。
③寝室でのスマホ使用
スマホの画面から出るブルーライトが深い睡眠を妨げる、という話は広く語られています。それに加えて、「スマホを見ている間、頭は覚醒している」という問題があります。
寝室の充電器をリビングに移してから、この問題は大きく減りました。枕元にスマホがなければ、夜中に手が伸びることもない。
この一つの物理的な変更が、筆者の夜の質に一番影響を与えた変化でした。詳しいやり方と、4ヶ月続けて変わったこと・変わらなかったことはスマホを寝室に持ち込まない記録にまとめています。
3ヶ月続けて、測れたことと測れなかったこと
測れたのは、自分で数えられることだけでした。布団に入ってから寝つくまでの時間、夜中に目が覚めた回数、朝までの睡眠時間。
この記事に書いた工夫を続けて、3ヶ月が経った時点の記録がこれです。
- 変わったこと:布団に入ってから寝つくまでが、30分から10分になりました
- 変わらなかったこと:夜中に目が覚める回数と、朝までの睡眠時間。睡眠時間は今も4〜5時間が中心です
ただし、この3ヶ月に変わったのは習慣だけではありません。
仕事の繁忙期が抜けた時期と重なっています。朝日を浴びる習慣も、スマホを寝室に持ち込まない習慣も、睡眠サポートサプリも、同じ期間に並行して続けていました。
どれが効いたのかを切り分けることは、筆者にはできません。
そのうえで、事実として書けることが一つあります。「深い睡眠をとる方法」を探して3ヶ月動いた結果、数えられる範囲で変わったのは寝つきだけでした。
眠りの深さそのものが変わったのかは、分かりません。測っていないからです。
今も試行錯誤中:習慣の先に求めたもの
習慣だけでは追いつかない夜もある。それを実感したとき、筆者は「体の内側から何か補えるものがないか」を考え始めました。
カフェインを断つ、風呂のタイミングを変える、瞑想する——どれも「邪魔をやめる」か「準備をする」アプローチです。もう一つ、夜の習慣に何かを一つ加える方向も試しました。
それが睡眠サポートサプリです。選んだ理由と、3ヶ月続けてどう感じたかは別の記事に書きました。
なお、習慣で追いつかない夜のために、筆者は処方された睡眠薬を引き出しに置いています。実際に飲んだ夜に何が起きたか(翌朝の倦怠感まで含めて)は、処方薬を飲んだ夜の記録にまとめています。
深い眠りの取り方を探しているということは、おそらく「眠れてはいるのに眠れた気がしない」夜を何度も経験しているのだと思います。自分の「眠れない夜」がどのタイプに近いか——入眠困難なのか、中途覚醒なのか、熟眠障害なのか——によって、対策の方向性も変わります。
👉 不眠のタイプ別対策まとめ【入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害】
習慣を整えた先で、筆者が試したもの
風呂のタイミングや起床リズムを変えても埋まらない夜がありました。そのとき筆者が選んだもう一つの選択肢——睡眠サポートサプリを選んだ理由と3ヶ月の体験記録を別の記事に書いています。
3ヶ月続けた記録と総括を読む →


